注意！通販のED治療薬は半数が偽造品
ED患者と治療薬利用の現状
1998年の調査によると、潜在的なED患者数は1130万人に達すると言われています。しかし、医療機関でED治療を受けている人はわずか1割程度です。ED治療薬を使用することで夫婦間生活の質が向上することが報告されていますが、疾患特性上、受診を避ける人も多く、ネット通販で薬を入手する患者も少なくありません。
日本国内の正規ED治療薬とジェネリック薬
日本でED治療薬を製造する正規の製薬会社は以下の4社です：
- 日本新薬
- ファイザー
- バイエル薬品
- 日本イーライリリー
さらに、現在ではシルデナフィル（バイアグラ）、タダラフィル（シアリス）、バルデナフィル（レビトラ）のジェネリック薬も利用可能で、費用の面でも選択肢が広がっています。
偽造ED薬の危険性
2016年の調査によると、ネット通販で入手したED治療薬のうち、約40％が偽造品でした。地域別では、タイ発注分で48％、日本国内発注分で35.6％が偽造品にあたりました。
調査で確認された偽造薬の製造現場は非常に劣悪で、古びた機械や白い粉、青色の液体が入ったバケツが無造作に置かれ、清潔さは全く保証されていません。
偽造薬による健康被害の事例
偽造薬は、正規品に比べて以下のような危険性があります：
- 有効成分が1.5倍含まれているものや、ほとんど含まれていないもの
- ED治療薬とは別の成分や有害物質が含まれているもの
- 不整脈、下痢、嘔吐などの健康被害が報告されている
2011年には奈良県で、偽造ED治療薬を服用した男性が意識障害を起こし救急搬送される事例が発生しました。衣服から偽薬が発見されましたが、死因との直接的な関連は確認されていません。
安全な治療を受けるために
ED治療薬は必ず医療機関や信頼できるオンライン診療を通じて入手してください。出所不明の通販での購入は、重篤な副作用や死亡リスクを伴う危険があります。クリニックによっては、オンライン診療・郵送処方も対応していますので、特にコロナ禍における感染リスクを避けつつ安全に治療を受けることが可能です。